設計事務所による建築顧問サービス
設計事務所でも会計事務所や弁護士事務所のように、顧問契約を建築主と結ぶことが可能です。
顧問契約(建築顧問サービス)には大きく2通りあります。
まず1つは、メンテナンス(保守)=アフターフォローとしての建築顧問です。
分譲マンションでは、長期修繕計画が立てられ、それに基づき修繕保守が行われますが、多くの建物が計画を立てられないまま利用もしくは、計画書はあるけど利用されていない状況です。
また、病院のような施設は増改築を繰り返すとともに、介護施設や検診センターなどをグループで展開されている建築主(法人)の場合、営繕の担当者を雇用するケースもありますが、実態としては便利屋さん的な役割が多いのが現状です。
ましてや経営数値の確認として、年間の修繕費の推移が経営者に報告していなかったり、かなり割高な費用を請求されていたりする場合があります。
また、悪気は無くとも違法建築に発展しているケースも多々あるようです。
そこで、メンテナンスとしての工事費や設備修繕費の見積書をチェックして差し上げるだけでも適正なコスト対応が可能となり経費削減になります。長期修繕計画をたてれば、経営計画も立てやすくなります。
メンテナンスの費用の目安は、年間平均で約1,000万円程度の支出がある法人さんが顧問先としての対象になります。
顧問料としては、月額2万~5万円程度で、一応24時間以内には、何かあった現場には駆け付けるなどの対応を行います。
また、定期報告を求められるような建物を所有している場合、それに絡めて、顧問料に含んだ形での対応も可能です。
もう1つの建築顧問は、新規の設計案件を都度払いではなく、長期的な契約として月次払いしていただくケースになります。
多店舗展開するような法人を建築主に持つ設計事務所は、契約し易いのです。
簡単なボリュームチェックとアイデア出し、そして、建築会社から上がってくる図面のチェックなどで月額顧問料として、30万円~50万円とするなどが可能です。
ただし、この建築顧問サービスは、飛び込み営業では獲得できません。
ご紹介やセミナーなどのご参加者で設計事務所へのロイヤリティを感じてもらえている状況が前提になります。
また、今すぐに建築は発生しないけど、数年先には予定があるというような方への繋ぎのサービスとして契約していただき、良好な関係を続けながら新規の大型案件の打ち合わせをしていくとよいでしょう。
事務所の中には、そうしたアフターフォローも含めて新築の設計監理料を分割でいただこうとされていた方もいらっしゃいますが、これはなかなか難易度が高いですね。